瞑想

不眠に悩む方・寝つきが悪い方必見!睡眠の質を高める寝る前におすすめの瞑想のやり方をご紹介!

みなさんは、夜寝ようと思ってベッドに入ったのに、なかなか寝付けなかったり、寝付けないからとスマホをいじっていたら気づいたら朝になってしまっていたなんていう経験はありませんか?

寝ようと思えば思うほど、寝れなくなってしまうという睡眠の悩みは、日本人の5人に1人が抱える重要な問題とされています。[1]参考:e-ヘルスネット 不眠症


僕も学生の頃や社会人になってストレスを感じるようになり、さまざまな場面で寝なくてはいけないのに、寝られないという経験をしてきました。


本当に寝られなかった時は、金曜日の夜から月曜日の朝まで一睡もできず、疲労困憊の状態で新たな一週間を迎えたこともありました。


そのため、寝れなくて困る方の気持ちは痛いほど良くわかります。


また、睡眠に特に困っていないという方にとっても睡眠の質を高めることは多くのメリットがあります。

有名なものだけでもこのようなメリットが挙げられます。


・免疫力アップ
・体重増加を防ぐことができます。
・心臓を強くする
・良い睡眠=良い気分
・生産性を高める
・運動能力を高める
・記憶力を高める
参考:The Benefits of Getting a Full Night’s Sleep



このように、睡眠の質を高めることで得られるメリットは非常に多いです。
今は特に睡眠に困っていないという方も睡眠の質をさらに良くすることで、仕事の生産性が上がったり、普段抱えるストレスのレベルが下がるという非常に良いことですよね。


今回は、そんな睡眠に関して、一度でも悩んだことがある方や睡眠の質を高め、さらに良い人生を送りたいという方のためにおすすめの瞑想の方法である、漸進的筋弛緩法(PMR:プログレッシブ・マッスル・リラクゼーション)をご紹介していきます。


何やら難しい感じとよくわからないカタカナで怪しいという印象を持ってしまう方がいらっしゃるかもしれませんので、一言でどのようなものなのか触れておくと、


全身もしくは身体の一部に力を入れたのち、力を抜くという筋肉の緊張と弛緩によってリラックスした状態を作り出すというリラックス方法です。


後ほど詳しくご紹介しますが、呼吸がポイントになる点やストレスや不安の解消に効果があることから瞑想の一種として考えられることもあります。


この漸進的筋弛緩法はジェイコブソンのリラクゼーション法として知られており、


その目的は、筋肉の緊張を解きほぐしながら、その緊張がどのようなものかを認識できるようにすることです。


この手法を定期的に行うことで、ストレスにより凝り固まってしまった筋肉をほぐし、ストレスを抑えることができると言われており、以下のような症状に効果があるという研究結果もあります。


・睡眠障害

・高血圧

・片頭痛

・顎関節症




僕はこの漸進的筋弛緩法を始めてすでに3年近く経つのですが、非常に効果が高く、最近では睡眠に悩まされることも全くなくなりました。


もちろん個人差はあるかと思いますが、漸進的筋弛緩法に関する世界中の研究の内容にも触れていきますので、安心して取り組んでいただけたら幸いです。


ぜひベストな睡眠を身につけ、ストレスなどのさまざまな問題を解決してしまいましょう!



漸進的筋弛緩法(PMR:Progressive Muscle Relaxation)とは

漸進的筋弛緩法(以下、PMR)は、1920年代にアメリカの医師エドモンド・ジェイコブソンによって考案されました。このリラックス法は、身体的なリラックスが精神的なリラックスを促進するという理論に基づいています。


ジェイコブソンは、筋肉を緊張させてから解放することで、筋肉をリラックスさせることができることを発見しました。そして、それが実は心のリラックスにもつながるということが研究により明らかになりました。


PMRは、このリラックスした状態を意識的に作り出すリラックス法です。
PMRでは、1度に1つの筋肉の塊に働きかける必要があります。
これにより、緊張している筋肉とそうでない筋肉が明らかになり、自分の身体の緊張に気づくことができます。


また、力を抜く前に、それぞれの筋肉を緊張させることが重要です。
この動作により、その部位のリラックス感が特に強調されます。

・筋肉に力を入れてから力を抜くと筋肉をリラックスさせることができる。
・筋肉をリラックスさせることは心のリラックスにもなる。
・漸進的筋弛緩法(PMR)では、一つ一つの筋肉に働きかけ、筋肉の緊張に気づくことが大事。
・しっかり力を入れ、しっかり力を抜くことでリラックスが期待できる。



漸進的筋弛緩法の効果



PMRの健康に関する効果については、世界中で多くの研究が行われており、数々の裏付けがあります。
ここでは、PMRの効果について、研究結果を詳しく見ていきましょう。

不安や緊張を和らげる



不安の解消は、PMRを行う大きなメリットの一つです。
これには、全般的な不安障害や、ストレスの多い状況で感じる不安が含まれます。

2019年に行われた研究では、50人の被験者がPMRを行ったところ、うつや不安、ストレスの症状が軽減したことがわかりました。同時に、幸福感や生活の質が向上しました。[2]参考:The Effect of Progressive Muscle Relaxation on Emotional Competence: Depression-Anxiety-Stress, Sense of Coherence, Health-Related Quality of Life, and Well-Being of Unemployed People in … Continue reading


また別の2019年の研究では、PMRには、歯科患者の緊張や不安を和らげる効果があると判断されました。研究者たちは、PMRがこれらの患者の抑うつ症状の軽減にも役立つと判断しました。[3]参考:Progressive muscle relaxation therapy to relieve dental anxiety: a randomized controlled trial


2016年に行われたより大規模な研究では、PMRは緊張、不安、怒りの感情を減少させるのに役立つ鍼灸治療と同等の効果があると判断されました。[4]参考:Auricular Acupuncture Versus Progressive Muscle Relaxation in Patients with Anxiety Disorders or Major Depressive Disorder: A Prospective Parallel Group Clinical Trial


また、2020年に行われた研究では、PMRがCOVID-19を持つ人の不安感を軽減する可能性があり、困難な状況に対処するために有効であることが示唆されています。[5]参考:Effects of progressive muscle relaxation on anxiety and sleep quality in patients with COVID-19

睡眠の改善



PMRはリラックス効果があるため、睡眠の質を向上させる可能性があります。

2020年に行われた研究では、80人の火傷患者にPMRの効果に関する調査が行われました。
この実験に参加した患者は、普段から身体的・心理的な状態から、大きな不安を感じたり、睡眠の質が低下したりすることが多いと主張していました。[6]参考:The effect of progressive muscle relaxation on anxiety and sleep quality in burn patients: A randomized clinical trial


患者たちは2つのグループに分けられました。
1つのグループは、PMRを1日20分から30分、3日間続けて行うグループで、
もう一方のグループは、日常的なケアと治療だけを受けました。


調査を始めて3日後、研究者は、PMR行った患者は、日常的なケアを受けただけのグループに比べて、不安が大幅に減少し、睡眠の質が改善されたと判断しました。


さらに、2015年の研究では、PMRが未熟児を持つ母親の産後の睡眠を改善したという結果が出ています。[7]参考:Recognition of the efficacy of relaxation program on sleep quality of mothers with premature infants

首の痛みを和らげる



首や肩に力が入りがちな人は、首の痛みを感じることがあります。
首の痛みは、精神的・感情的なストレスを抱えている人に多い症状と言われています。


2013年に行われた研究によると、PMRは慢性的な首の痛みの症状を軽減する可能性があることがわかりました。さらに、生活の質や身体機能の向上にもつながるとことが明らかになりました。[8]参考:Effectiveness of Home-Based Cupping Massage Compared to Progressive Muscle Relaxation in Patients with Chronic Neck Pain—A Randomized Controlled Trial

腰痛の軽減



腰痛も多くの人が悩まされている症状です。
様々な原因が考えられますが、ストレスはそれを悪化させる可能性があると言われています。


2018年の研究によると、8週間のPMRが慢性的な腰痛を軽減する可能性があることがわかりました。[9]参考:Randomized, Controlled, Crossover Study of Self-administered Jacobson Relaxation in Chronic, Nonspecific, Low-back Pain


別の2014年の研究Trusted Sourceでは、音楽を伴ったPMRには、妊婦の腰痛を減少させる効果があることが発見されました。[10]参考:Effects of Progressive Muscle Relaxation Exercises Accompanied by Music on Low Back Pain and Quality of Life During Pregnancy

高血圧の改善



高血圧は、心臓病や脳卒中のリスクを高めると言われています。
ストレスはその状態を悪化させますが、PMRが役立つ可能性があります。


2019年に行われた研究では、音楽療法によるPMRが高齢者の収縮期血圧を改善しました。[11]参考:Decreased blood pressure among community dwelling older adults following progressive muscle relaxation and music therapy (RESIK)


また、PMR単体を対象とした2018年に行われた研究では、高血圧の成人の収縮期血圧を有意に改善する能力があることがわかりました。[12]参考:Effect of Progressive Muscle Relaxation on Blood Pressure Reduction in Hypertensive Patients

片頭痛の頻度を減少させる



片頭痛は、顔や頭に強い痛みを感じる神経疾患です。
片頭痛の発作は、通常の日常的なストレス要因を含むストレスによって引き起こされることがあります。


2016年の研究Trusted Sourceによると、PMRは片頭痛の発作の頻度を減少させることができます。研究者たちは、片頭痛のある人に多く見られる神経伝達物質であるセロトニンのレベルのバランスをとることで効果があると考えています。[13]参考:Progressive muscle relaxation reduces migraine frequency and normalizes amplitudes of contingent negative variation (CNV)

顎関節の症状を軽減する



感情的なストレスは、顎のこわばりや硬直につながる顎関節症を引き起こす可能性があります。


2019年の研究によると、PMRの心を落ち着かせる効果が顎関節症の症状を軽減する可能性があることがわかりました。この研究の参加者は、テクニックを実践した後、強い痛みや緊張が減ったことを経験しました。[14]参考:Progressive muscle relaxation according to Jacobson in treatment of the patients with temporomandibular joint disorders

漸進的筋弛緩法の効果

・不安や緊張を和らげる
・睡眠の改善
・首の痛みを和らげる
・腰痛の軽減
・高血圧の改善
・片頭痛の頻度を減少させる
・顎関節の症状を軽減する




漸進的筋弛緩法(PMR)の方法



PMRは、自宅で簡単にできるリラックス方法です。
特別な装置や道具は必要ありません。必要なのは、集中力と注意力、そして気が散らない静かな場所だけです。


このリラックス法のポイントは、それぞれの筋肉を緊張させ、力を入れたまま5秒間保持することです。
その後、息を吐きながら10~20秒かけて筋肉を完全にリラックスさせ、次の筋肉群に移るというものです。

具体的なやり方



それではPMRの具体的なやり方の手順をみていきましょう。


・横になるか、座るかして始めます。身体全体をリラックスさせ、深く、ゆっくりと5回呼吸をします。

・つま先を上に向けます。数秒止めて、力を抜きます。

・つま先を下に向けます。数秒止めて、力を抜きます。

・次に、ふくらはぎの筋肉を緊張させてから、力を抜きます。

・膝をお互いに動かし、力を抜きます。

・太ももの筋肉に力を入れ、力を抜きます。

・手を握る。数秒間止めて、力を抜きます。

・腕に力を入れた後、力を抜きます。

・お尻に力を入れ、少ししたら力を抜きます。

・腹筋に力を入れ、数秒ののち力を抜きます。

・息を吸って、数秒間息を止め胸に力を入れ締めます。その後、息を吐きながら力を抜きます。

・肩を耳の位置まで上げます。一度そこで止め、力を抜きます。

・唇をすぼめるようにし、その後力を抜きます。

・口を大きく開け、その状態を数秒間キープし、力を抜きます。

・目をしっかり閉じる。一時停止したのち、力を抜いて、目を開けます。。

・眉毛を持ち上げる。その状態で少ししたら力を抜きます。
参考:The Benefits of Progressive Muscle Relaxation and How to Do It




初心者のためのヒント


瞑想やリラクゼーション・テクニック、PMRに慣れていない方は、以下のヒントを参考にしてください。


・PMRのために15分から20分程度の時間を確保する。静かで快適な場所で行う。

・気が散らないように、携帯電話の電源は切っておく。

・息を止めてしまうと、より緊張してしまいます。筋肉を緊張させるときには深く息を吸い、リラックスするときには十分に息を吐き出します。

・先ほどの手順に違和感があれば、自分に合った順番で動きましょう。例えば、頭から始めて、身体の下の方に移動することもできます。

・ゆったりとした軽い服を着る。

・うまくできないと感じる場合は、一度気持ちが落ち着いているときに行いましょう。極度の緊張を感じている際は力を抜いても十分にリラックスできないことがあります。

・ガイド付きのPMRを試してみるのも良いかもしれません。


ご自身の身体に合った瞑想でベストな睡眠を。


今回は、寝る前に行うことで睡眠の質を高めることができる瞑想法・リラックス法である、漸進的筋弛緩法(PMR)の効果とそのやり方をご紹介しました。


睡眠への効果が高いことで世界的に有名になりましたが、今回ご紹介したようなストレスや不安の減少や身体の痛みにも効果があるなど、非常に強力な効果があります。


また、漸進的筋弛緩法(PMR)の方法の中でも触れましたが、身体の緊張している部分や緊張の度合いは人それぞれなので、みなさんの身体に合った部位から順番にやってみたり、重点的に行うことで、更なるリラックスが期待できます。


特別な道具や準備が必要なく行うことができるので、手軽にできて効果のある優秀な瞑想と言えるかもしれません。


今回挙げたPMR以外にもストレス減少に効果がある瞑想方法は様々あります。
まずは試してみてみるところから始め、ご自身の身体に合った瞑想を見つけていただきたいと思います。
快適な睡眠を手に入れることができることを願っています。

今回のまとめ

漸進的筋弛緩法(PMR)は、リラクゼーション技法・瞑想の1つです。PMRは、筋肉を緊張させた後、1つずつ弛緩させていきます。
これにより、身体の緊張がほぐれ、ストレスや不安が解消されると考えられています。

研究によると、PMRには、痛みの緩和や睡眠の質の向上など、さまざまな効果があることがわかっています。
また、片頭痛の発作、収縮期血圧、顎関節症の症状を軽減する可能性もあります。

PMRは、自宅で簡単に行うことができます。最良の結果を得るためには、このテクニックを定期的に実践することが大事です。
時間が経つにつれて、よりリラックスでき、精神的にも落ち着くようになります。

References

References
1 参考:e-ヘルスネット 不眠症
2 参考:The Effect of Progressive Muscle Relaxation on Emotional Competence: Depression-Anxiety-Stress, Sense of Coherence, Health-Related Quality of Life, and Well-Being of Unemployed People in Greece: An Intervention Study
3 参考:Progressive muscle relaxation therapy to relieve dental anxiety: a randomized controlled trial
4 参考:Auricular Acupuncture Versus Progressive Muscle Relaxation in Patients with Anxiety Disorders or Major Depressive Disorder: A Prospective Parallel Group Clinical Trial
5 参考:Effects of progressive muscle relaxation on anxiety and sleep quality in patients with COVID-19
6 参考:The effect of progressive muscle relaxation on anxiety and sleep quality in burn patients: A randomized clinical trial
7 参考:Recognition of the efficacy of relaxation program on sleep quality of mothers with premature infants
8 参考:Effectiveness of Home-Based Cupping Massage Compared to Progressive Muscle Relaxation in Patients with Chronic Neck Pain—A Randomized Controlled Trial
9 参考:Randomized, Controlled, Crossover Study of Self-administered Jacobson Relaxation in Chronic, Nonspecific, Low-back Pain
10 参考:Effects of Progressive Muscle Relaxation Exercises Accompanied by Music on Low Back Pain and Quality of Life During Pregnancy
11 参考:Decreased blood pressure among community dwelling older adults following progressive muscle relaxation and music therapy (RESIK)
12 参考:Effect of Progressive Muscle Relaxation on Blood Pressure Reduction in Hypertensive Patients
13 参考:Progressive muscle relaxation reduces migraine frequency and normalizes amplitudes of contingent negative variation (CNV)
14 参考:Progressive muscle relaxation according to Jacobson in treatment of the patients with temporomandibular joint disorders