今の生活には満足しているし、充実感も感じるのに、なぜか急に不安を感じることがある。
目の前のことに一生懸命になっている時は幸せを感じるのに、冷静になった途端、急に謎の不安を感じることがある。
このような経験はないでしょうか?
不安は、私たちが社会的に直面しなければならない最も一般的な問題の1つです。
実際、アメリカでは、成人で記録されている精神疾患の中で最も多い病気とも言われています。
不安は、様々な要因によって引き起こされます。
その要因には、個人的なもの(現在進行中のメンタルヘルス問題)、外的なもの(周囲の環境の影響)、あるいはその2つが組み合わさったものもあります。
しかし、なぜ理由もなく不安になるのか原因を知っているかどうかで、対処の仕方が大きく変わってきます。
そこでまず、理由もなく不安になる一般的な原因をご紹介します。
日常的な不安の引き金:短期的な原因
ストレスやトラウマ
急に迫ってきた仕事の締め切り、経済的な問題、死別など、さまざまな要因が考えられます。
ストレスはさまざまな形で私たちに影響を与えますが、その影響は必ずしもすぐには現れないことがあります。
実は、一度プレッシャーが解消されてから、不安に襲われることもあります。
つまり、仕事を任されてすぐにストレスを感じるのではなく、仕事を完了した後にストレスが原因で急に不安が襲いかかってくることがあるということです。
また、過去のトラウマが原因で急に不安を抱えてしまうこともあります。
トラウマの種類は人によって様々ですが、目の前の物事がたまたまトラウマを呼び起こすきっかけになってしまう可能性もありますし、目の前の物事とは全く関係なく、思い出してしまうこともあります。
また、トラウマが原因で慢性的に何かしらに恐怖や不安を抱えている人はストレスを抱えやすいので、そのストレスが原因で、急な不安に襲われるということもあります。
人間関係の問題
結婚している人や長年交際している人は、もしかしたら苦労しているかもしれません。
また、独身であっても、デートのプレッシャーが原因で、理由もなく不安になっていることがあります。
もしかすると自分の人間関係はどこか閉鎖的だな、窮屈だなと感じている人もいるかも知れません。
このように感じた時は、これ以上状況が悪化する前に他人とコミュニケーションをとり、たとえ自分の気持ちを表現するのが難しくても、相手に自分の気持ちを伝えることがとても大切です。
また、人と一緒にいるときに不安が表面化する場合は、社会不安を感じている可能性があります。
特定の誰かではなく、社会全体への不安、つまり、会社や学校などのコミュニティ全体への不安です。
日本では、コミュニティの結束が強かったり、そのコミュニティ独自のルールに縛られてしまうことなども少なくないので、そのような環境の閉塞感からその場にいない時でも急に不安を感じてしまうことがあります。
医療上の副作用
薬の中には、副作用として不安が挙げられているものがあるので、最近服用している薬に変更があった場合には注意が必要です。
同様に、薬の離脱も不安の原因となることがありますので、そのような可能性がある場合は、必ず医師に相談してください。
専門家の視点から副作用への対処法を教えてくれるでしょう。
これらはいずれも一般的なシナリオであり、誰もが何らかの形で経験する可能性があるものです。
しかし、単に理由もなく不安を感じている場合はどうでしょうか?
このような場合は、非常に苛立たしく、悩ましいものです。
しかし、忘れてはならないのは、たとえきっかけがすぐにはわからなくても、不安には必ず何らかのきっかけがあるということです。
より長期的な原因
全般性不安障害(Generalized Anxiety Disorder)
全般性不安障害(GAD)とは、医療関係者の間で、消えない不安感が蔓延している状態を指す名称です。
根本的な不安が6ヶ月以上続いている場合は、GADが原因かもしれません。
そのような場合は、医師の診断を受けることをお勧めします。
医師は、理由もなく不安を感じるなどの症状を抑えるために、薬を処方することができるでしょう。
うつ病
多くの意味で、うつ病と不安症は密接な関係にあります。
どちらも脳内の化学物質のバランスに大きく影響されますが、外的な要因にも大きく影響されます。
そのため、同じような治療を受けることができるのです。
食生活、運動量、睡眠時間などの生活習慣が、この2つの疾患に大きく影響します。
心的外傷後ストレス障害(Post-Traumatic Stress Disorder)
PTSDは、前述のトラウマと関連しており、不安を引き起こす可能性があります。
しかし、PTSDは、より根深い症状です。症状が出るまでに長い時間がかかるため、原因不明の症状が出ることもあります。
PTSDは、ほとんどの場合、訓練を受けた医療従事者によるサポートが必要な精神疾患です。必要な場合は、恐れずに話して助けを求めてください。
トラウマに対処する方法を探しているなら、PTSDの名言集やPTSDの歌を紹介しています。
不安の根本的な原因を理解することは有益ですが、それが強烈なパニック感に対処する手段として役立つとは限りません。行動計画が必要です。
そこで、まず、不安が最高潮に達したときに対処するための短期的なヒントをいくつか見てみましょう。次に、理由もなく不安を感じる場合の長期的な解決策を見ていきましょう。
短期的な解決策
これらの短期的なヒントは、理由もなく不安になったときに、すぐに解決するためのものです。
また、不安を解消するためのエクササイズも紹介していますので、ぜひお試しください。
呼吸する
人は緊張やストレスを感じた時、身体的な変化がいくつか起きます。
呼吸が浅くなったり、早くなったりするのは、その一つです。
緊張やストレスを感じた時には、一度、自分の呼吸はどうなっているのか確認してみましょう。
もしかすると呼吸に意識を向けることで心拍数が速くなっているなど、他の変化にも気がつくことができるかも知れません。
呼吸が速くなっていることに気がつくことができたら、まず数回、深く深呼吸をしてみましょう。
10秒かけて吸い、11秒かけて吐きます。
もちろん人によって肺活量には違いがあるので、あまり辛くならない程度でゆっくりとした深呼吸をおこなってみてください。
呼吸は、脈拍や心拍数を調整するのにも最適な方法で、パニックゾーンから抜け出すことができます。
これを5分程度続けると、意味もなく不安になる感覚がなくなるはずです。
いつもと違うことをする
外に出て空気を吸う、テレビをつける、音楽をかけるなど、その場でおこなっていたこととは別のことをおこなってみましょう。
ネットで面白い猫の動画を見てみるのも良いでしょう。
不安を取り除き、気を紛らわせるものなら何でもいいのです。
これは非常に即効性のある方法であり、理由もなく不安になることで生じる苦痛を相殺する優れた方法です。
急にくる不安の中には原因はわからないが、目の前の物事がきっかけとなって不安を踏み出していることもあり得ます。
そのため、その場でおこなっていた何かから意識を別のものに向けることで不安感を取り除くことができます。
誰かに話す
友人でも家族でも、何でも構いません。
ただ、電話をかけて、何が起きているかを話してみてください
何が起こっているのか、簡単に説明してください。
声に出して伝えることで、心理的な影響を軽減することができます。
誰にも相談できないと感じたら、セラピストに相談してみてください。
ネガティブな考えに真っ向から取り組む
あえてネガティブで破壊的な考えに立ち向かってみることも効果がある場合があります。
具体的な思考パターンを考えてみましょう。
なぜパニックを引き起こす方向に向かっているのか。
それは本当のことなのか、それとも単なる想像上のことなのか。
それが本当なら、どうすれば良いのか。
手放すことはできますか。
自分は何に圧倒されているのか。
など、自問自答をしてみることで、原因不明だった不安が取り除かれる場合があります。
人間の恐怖や不安は「わからない」という感覚から生まれます。
未知のものや原因がわからないものに対しては誰しも居心地の悪さを感じます。
勇気を出して向き合ってみることで、得体の知れない不安の原因に気がつき、次に取るべき行動を決めることができるかも知れません。
そうなると不安はどこかへ行っているでしょう。
これは1人で行うのは難しいかも知れないので、信頼できる人と一緒に行うのも良いでしょう。
散歩する
身体を動かすことは、エンドルフィンを分泌させ、不安感を和らげるのに最適な方法です。
試しに足を伸ばしてみてみましょう。
少し、気持ちに変化があるのを感じませんか?
また、早足で歩くことは、ストレスを軽減し、全体的な不安レベルを低下させる方法とも言われています。
外を歩くことができるタイミングであれば、歩くなどの運動を試し、家の中で激しい運動ができなそうな時は、スクワットをしたり、ヨガをしたり、筋トレをおこなったりすると効果的です。
書く
不安を紙に書き出すことは、不安を払拭するための実践的な方法の1つです。
書き出した文章を読み返してみると、案外自分が些細なことに対し、どれだけ大げさにパニックを起こしていたかがわかることもあります。
理由のない不安を感じているときに書いた文章は、治療セッションの基礎としても有効です。
不安を解消するためにセラピストに診てもらおうと思っているのであれば、不安な状態で書いた文章は必ず保管しておきましょう。
これは、あなたの重要な感情の引き金を特定するための貴重な証拠となります。
長期的な解決策
認知行動療法
認知行動療法(CBT)は、ネガティブな思考パターンを改善するための方法です。
CBTは、ネガティブな思考を小さなパーツに分解し、特定の感情や情動の引き金となるものを特定して、それに対処する方法を探るプロセスです。
資格を持ったセラピストとの一連のセッションでは、自分のネガティブな思考や行動を特定・分析し、日々の生活の中でポジティブな変化を起こし、ポジティブな思考を生み出すことを目指します。
CBTは、あなたが理由もなく不安を感じているときには、実際には理由があることを教えてくれますが、その理由は通常、感情的に抑圧されていたり、見えないところに隠されていたりします。
マインドフルネスと瞑想
不安を解消するためには、毎日マインドフルネスと瞑想を行うことを強くお勧めします。
大げさなことをする必要はありません。
毎日数分でいいので、静かに座って楽な姿勢をとり、呼吸に集中し、気になる考えや感情に目を向けてみましょう。
そうすることで、驚くほどの効果が得られるはずです。
驚くほどの違いがあります。
自分自身の感覚や世界での自分の位置をより現実的で哲学的に把握することで、ストレスレベルを抑えることができるのです。理由のない不安から逃れるための確実な武器となるでしょう。
何から始めればいいのかわからないという方は、当サイトでもご紹介しているガイド付き瞑想を試してみるのも良いでしょう。
緊急時や長期的な不安解消のために特別にデザインされたガイド付き瞑想の練習があります。
食生活を変える
食生活は、健康に大きく影響する要因の1つです。
そのため、精神的な健康に役立つ適切な食品を食べるようにすることが重要です。
甘いお菓子は絶対に避けてください。
代わりに、葉野菜、ナッツ類(特にクルミ)、サーモン、サバ、マグロなどの脂ののった魚の摂取を増やしましょう。
タンパク質とオメガ3は、不安の症状に効果があることが証明されていますが、栄養士に相談できる場合は相談することをお勧めします。
栄養士は、あなたのニーズに基づいたオーダーメイドの食事プランを考案することができます。
薬物療法
薬物療法という選択肢もあります。
不安に医学的サポートが必要だと感じたら、医師に相談し、SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)を処方してもらうとよいでしょう。
SSRIは、不安やパニック障害に効果があることが証明されている、さまざまな抗うつ剤です。
SSRIは、副作用が最も少ないことから、抗うつ薬の中でも特に人気のある選択肢です。
SSRIは脳内のセロトニンレベルを上昇させる働きがあり、抑うつや不安の症状との因果関係が証明されています。
不安をなくすために
人は誰でも、理由もなく不安になることがあります。
不快なパニック感を和らげるためにできることは必ずあるはずです。
この記事では、不安を感じる根本的な原因と、その解決策をご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。
短期的なものでは、呼吸や運動など、誰でも簡単に取り入れることができるものもあったので、置かれている状況下ですぐにどうにかしたいと思った時にはぜひ試してみていただきたいと思います。
また、不安はその場でどうにか対処できても時間が経てば同じように不安を抱えてしまうということも少なくありません。
そのような経験がある方は、長期的な解決策でご紹介した方法を試してみていただきたいと思います。
特に瞑想や食生活の改善は意識して長く続ければ続けるほど、非常に強力な習慣となり、人生においてさまざまな面で大きな助けとなります。
不安に悩まされている方も今は別に悩んでいない人も習慣として取り入れることで、そもそもの悩みから解き放たれることもできるかも知れません。
https://declutterthemind.com/blog/feeling-anxious-for-no-reason/