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サラリーマン・OL必見!仕事の生産性と職場の人間関係を改善する瞑想のススメ



仕事と瞑想は関係ない?



皆さんはどんな時にストレスを感じますか?


皆さんの中には、「ストレス」という言葉を聞くと、「仕事」や「職場」という言葉が頭をよぎったという方もいらっしゃるかと思います。


厚生労働省が行った調査によるとストレスの発生原因は「職場」であると答える人が全体の約6割に及ぶとのことなので、むしろ当然の反応かも知れません。
参考:仕事や職業生活における不安やストレスに関する事項


企業で働く従業員は、人生の約3分の1を企業に属する業務時間として過ごすため、職場でのストレスが人生全体に当たる影響も大きく、決して無視できるものではないです。


また、日本ではあまり報道されることはありませんが、職場で発生するストレスは、雇用者や経営者にとっても有害です。アメリカのストレス研究所によると、ストレスは、欠勤、離職、医療費、生産性の低下などの形で、米国の企業に毎年3,000億ドル以上の損害を与えていると言われています。
参考:4 Ways Mindfulness and Meditation Can Help You at Work


従業員は、自分の健康と生産性のどちらも落とすことなく働きたいと考えており、
経営者は、従業員の幸福度を下げることなく、企業を成長させたいと考えている場合、両者の悩みを解決するにはどうしたら良いでしょうか。


その方法の一つとして注目されているのが、「瞑想」です。


従来、”瞑想=スピリチュアルな世界”と”ビジネス=現実に即した世界”は常に相互に排他的であり、お互いにほとんど接点がないと考えられてきました。


確かに従来の日本的な考え方だと、瞑想は僧侶のような修行を積んだ人や現実から目を背けた空想家のやることで、ビジネスは気合と根性で乗り切るものというイメージが強いかも知れません。


しかし、近年では、瞑想の研究が進み、瞑想が単なるスピリチュアルなものではなく、ストレスを軽減させたり生産性を上げるという科学的な根拠に基づいた習慣であることが明らかになり、自身の健康を高めるために瞑想を習慣に取り入れる起業家や投資家、アーティストがアメリカやヨーロッパを中心に増えてきています。


実際、NikeやGoogle、Facebook、Salesforceなどの多くの大企業が従業員の生産性や幸福度を高めたり、従業員同士の人間関係を高めるために積極的に瞑想を職場に取り入れています。


企業が瞑想を導入する理由は様々ですが、瞑想は生産性を向上させ、労働意欲を高めることがわかっているため、導入するメリットは非常に大きいです。実際、デトロイトにある化学工場では、職場での瞑想プログラムを実施してから3年後に以下のような結果が出ています。

・欠勤が85%減少

・生産性が120%向上

・怪我が70%減少

・利益が520%増加


もちろん、個人レベルで職場に瞑想を取り入れることも有効です。
瞑想アプリを使うと5分ほどの短い時間から取り入れることが可能なので、ぜひ試してみて頂きたいと思います。


今回は、そんな「職場」や「仕事」に瞑想を取り入れることで得られる多くのメリットについて、ご紹介していきたいと思います。


職場や仕事中に瞑想を行うメリット



ストレス軽減



冒頭でも触れましたが、仕事に対して、ストレスを感じる人は多いかと思います。
プレゼンの準備に追われたり、なんとかしてタスクをその日中に終わらせないといけないというプレッシャーを感じたことがある方もいらっしゃるかと思います。


そのような状況で精神的に緊張すると、ストレスホルモンであるコルチゾールからサイトカインと呼ばれる炎症を促進する化学物質が放出されます。これが睡眠を妨げたり、うつ病や不安神経症、血圧の変動、思考の混濁などを引き起こすと言われています。


瞑想は、睡眠を調整し、コルチゾールホルモンをコントロールし、エンドルフィン、ドーパミン、セロトニンなどの幸せホルモンの分泌を促進します。これにより、従業員の方は、ストレスから解放され、高い生産性を発揮することができるのです。参考:Why Meditation Works Wonders for Better Workplace Productivity

実際、スタンフォード大学医学部で行われた研究によると、マインドフルネス瞑想を実践した人は、ストレス関連の症状が軽減され、自分の生活をコントロールできる感覚が高まったと報告しています。例えば、マインドフルネス瞑想を行うと、深刻な病気を患っている人のストレス症状が30%軽減されると言われています。
参考:Benefits of Meditation in the Workplace


創造性が高まる



あまり意識していない人が多いかも知れませんが、企業で働くということは、非常にクリエイティブな能力が求められます。企業としては、競争にさらされていたり、各企業が粗雑なマーケティング理念を打ち出していたりすると、創造性で戦うしか道がない、という状況もありえます。そんな時に創造性に長けた従業員がいるというのは企業にとっての頼みの綱となり得るでしょう。


もし毎日同じタスクをこなしている従業員の方がいたとしても、創造性を磨くことには意味があります。
創造性があればどのプロセスを省くことができるのかを考えることができたり、上司への相談の仕方のアプローチを思いつくことができたりと、自分の働きやすさを自分の手で改善できるかも知れないからです。


そのような創造性は、瞑想によって促進されることが科学的に証明されています。
参考:Why Meditation Works Wonders for Better Workplace Productivity


たとえ5分でも瞑想をし、呼吸や体、特定の言葉に集中することで、すべての思考から意識が離れ、集中力が高まります。ある研究によると、瞑想のテクニックはクリエイティブな思考を促進すると言われています。集中して思考を転換することで、新しい道への扉を開き、新しいアイデアを思いつくことができるのです。
参考:4 Ways Mindfulness and Meditation Can Help You at Work



また、マインドフルネス瞑想の実践は、問題解決のための創造的なソリューションの改善につながり、また、発散的な思考を促進します。オランダのフローニンゲン大学で行われた研究では、マインドフルネスと創造性の間には、問題解決のための洞察力の向上や、認知的硬直性の軽減などの関連性があることが分かっています。マインドフルネス瞑想を定期的に続けている人ほど、大胆で創造的なアイデアを受け入れることができると言われています。
参考:Benefits of Meditation in the Workplace


心を落ち着かせる


大事な会議や打ち合わせ、プレゼンや上司から指示に対して、極度の緊張を感じたことのある方もいらっしゃるかと思います。

そのような緊急の状態に対しても普段から瞑想を習慣に取り入れている人は対処することができると言われています。

定期的な瞑想を行うと、感情的な衝動をコントロールしたり、誘惑を取り除いたりすることができるようになります。それにより、精神と心を落ち着かせることができ、集中力を高め、仕事の生産性を向上させるのに役立ちます。参考:Why Meditation Works Wonders for Better Workplace Productivity


また、感情的な意思決定によって、のちに後悔するような言動を起こしてしまうということもあるかと思います。
そのような意思決定と瞑想に関して、INSEAD[1]欧州経営大学院、通称INSEADは、フランス・フォンテーヌブロー、シンガポール、アブダビに校地を置くビジネススクール。参考:INSEADとウォートンスクール[2]ペンシルベニア大学ウォートン校は、アイビー・リーグ8校の中のペンシルベニア大学のビジネススクールである。の研究者たちは、次のように述べています。

“15分間集中して呼吸する瞑想を1回行うだけで、人はより賢い選択をすることができます。今この瞬間に情報を評価し、判断の枠組みを作り、矛盾点を明確に検討することができれば、本物の回答をすることができ、さらには決断すべきことがあるかどうかを判断することもできるのです。”
参考:4 Ways Mindfulness and Meditation Can Help You at Work



自己認識の向上


プロジェクトに没頭したり、目のためのタスクのことだけを考えていると自分のことあらゆることを忘れてしまいがちです。あまりの忙しさに、混乱してしまい自分が何をやっているのか、理解ができなくなったり、
ふと自分の仕事を振り返ってみると何をやっていたのか、よくわからなくなってしまったという経験がある方もいらっしゃるかと思います。


もちろん、常に自分がどんな目的を持って、どんな仕事に取り組むのか的確に答えられるのが理想かとは思いますが、仕事が許容量を超えてしまうと何も考えられなくなるということもあるかともいます。


このような周囲や企業という組織の中で自分が何をしているのかを理解するという、自己認識は、仕事へのモチベーションを高めたり、意欲的に仕事に取り組むために非常に重要であると言われています。


瞑想は自己認識の向上に大いに役立ち、自分の感情、気持ち、考え、心の中で起こっているすべてのことに完全に気づくことができる。これにより、自分自身の自制心が高まり、自信にもつながります。参考:Why Meditation Works Wonders for Better Workplace Productivity


瞑想やマインドフルネスは、仕事での目的意識とつながり、自分の役割がどのように真の影響を与えるかを知るための方法のうちの一つです。瞑想を習慣的に行うことで、仕事と人生における真の目的を明確にすることができます。真の目的を明確にできれば、自分だけが持つ将来のビジョンに集中することができます。仕事が自分にとって本当に意味のあるものになれば、成功は後からついてきます。
参考:4 Ways Mindfulness and Meditation Can Help You at Work


人間関係の改善


職場でのストレスの原因は仕事の量や仕事の責任など、さまざまですが、人間関係によるストレスも無視できません。厚生労働省の調査によると職場でのストレスの3割が対人によるものという回答でした。
参考:https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/dl/h24-46-50_01.pdf


一人で黙々と作業をするという場合でも職場において、他の従業員と全く関わらないというのは難しいと感じる方が多いかと思います。


複数の人との関わりの上で完成させる仕事の場合、自分の仕事のできは他人のできによって変わってくる場合や他人とのチームで評価されるという場合もあるかと思います。そうなるとより職場での人間関係が重要になってきますね。


瞑想は、他人に対して、より良いコミュニケーションと理解を可能にし、対人関係を向上させる上で非常に大きな役割を果たします。職場で瞑想を行うことは、チームメンバー間の絆を深めるだけでなく、チームワークの向上や全員のメンタルヘルスの改善を促し、その結果、生産性の向上などにもつながると言われています。
参考:Why Meditation Works Wonders for Better Workplace Productivity


また、マインドフルネスを身につけることは、自分自身や周りの人にも良い影響を与えます。マインドフルネスの向上は、コミュニケーションや感情の表現により、仕事上の人間関係や友人関係の大幅な改善につながります。瞑想によって感情的な知性を高めた後は、人間関係が楽になり、自然なものになります。実際、瞑想をしている人は、お互いを受け入れる傾向があり、より歓迎され、寛容的な職場環境を作ることができます。
参考:Benefits of Meditation in the Workplace


さらに、マインドフルネス瞑想の継続的な実践は、重度のうつ病や不安を軽減するなど、私たちの全体的な気分にも注目すべき有益な影響を与えます。ボストン大学の研究によると、マインドフルネスと瞑想をベースにしたプログラムは、さまざまな条件で臨床レベルの不安や抑うつを大幅に軽減し、忍耐力や積極性を高めることがわかっています。日常的に実践することで、この楽観性を職場に持ち込むことができ、満足度を高めることができます。
参考:Benefits of Meditation in the Workplace

集中力を高める


仕事の成果を上げている人の多くは、本当にやらなくてはいけない仕事に集中して取り組むことができている、というイメージを持たれる方もいらっしゃるかと思います。


どれだけ集中力を持続させることができるか、集中したいときに集中することができるようにするためにはどうしたら良いのか、というテーマであらゆる書籍が出版させれていることを考えると多くの人が集中に課題を感じていることは明白です。


仕事では、様々なプロジェクトやタスクをこなすために集中力が必要ですが、気が散らない静かなオフィスで仕事ができることはなかなかないと思います。


就業時間中の同僚のおしゃべり、コーヒーメーカーや換気扇の音、外の車の交通の音などは、全く聞こえない状況を作るのは難しいかと思います。


最近は在宅勤務も増えてきたおかげで自宅なら集中できるという人もいるかも知れませんが、逆に会社の方が集中できるという話も聞くので、一概にどちらが集中できると断言することは難しいかと思います。


つまり、理想は、現在の環境を自分が集中できるものに変えることではなく、どんな状況であれ集中できる自分自身を作ることだということがわかります。


ここまで読んで頂いた方であれば、想像がつくかと思いますが、瞑想はそのような、環境に左右されない集中力を向上させるために非常に効果的です。
参考:4 ways meditation can improve your work ethic



もしかすると、皆さんの中には、瞑想とは座ってすべての考えを排除する必要があると考えている人もいるかも知れませんが、人間は頭の中を空っぽにすることはできません。


そうではなく、瞑想を実践することで、思考を回避する方法を教えてくれます。
つまり、考えたくないことでなく、本当に考えたいことについてだけ考えることができるようになります。

仕事のことでいろいろ悩んでしまうという方もいらっしゃるかも知れませんが、瞑想により、そのような終わらない無限の思考サイクルに巻き込まれるのではなく、思考に感情的な力を与えずに、思考をありのままに認めることができるようになります。ほとんどの方が基本的な呼吸に集中する瞑想をしばらく継続することでそのような体験ができます。
参考:4 ways meditation can improve your work ethic


実際、マインドフルネスや瞑想を実践することで、注意力を維持する能力が向上し、外部や内部からの気晴らしが減ることが繰り返し示されています。ハーバード・メディカル・スクールの研究者たちは、瞑想プログラムによって、学習や作業記憶の能力に関わる脳領域に変化が生じることを発見しました。

ワーキングメモリー[3]ワーキングメモリとは認知心理学において、情報を一時的に保ちながら操作するための構造や過程を指す構成概念のことは、特に職場での意思決定や行動に重要な役割を果たしているので、これは重要なことです。実際に、ストレスの多い職場で働いている人が瞑想を実践したところ、タスクをより長く続けることができ、時間をうまく管理し、タスク実行後にポジティブなフィードバックを受けることができたとのことです。
参考:Benefits of Meditation in the Workplace

仕事のためのシンプルな瞑想の実践 



今はリモートワークをされている人も多いかと思いますので、瞑想はより簡単に実践できるようになってきているかと思います。


しかし、まだまだ、職場へ通勤している人は多いですし、今後もしかするとリモートワークから元に戻り通勤する必要が出てくる方もいらっしゃるかと思いますので、そのような方のために職場で簡単にできるシンプルな瞑想をご紹介します。


もちろん、職場には他の従業員もいますし、忙しく仕事をしている途中で瞑想をする時間を毎日確保するというのは難しいかと思います。


しかし、ここまでご紹介してきた通り、瞑想には心を落ち着かせるだけでなく、集中力や生産性を高めるという、仕事をする上で絶対に覚えていた方が良いメリットがたくさんあります。

できるだけ多くの方が実践できるよに簡単なものをご紹介しますので、ぜひ取り入れてみて頂きたいです。


音楽に集中する



音楽瞑想は、オフィスでできる特別な集団的または個人的な運動です。
みんなで一緒に行うと、職場に響き渡るような集団的な落ち着きを得ることができます。

やり方は簡単で、作業をやめ、音楽に集中するということです。
その間はできるだけ音楽に集中します。
もし別のことを考えてしまっても無理に音楽に思考を戻そうと頑張る必要はありません。

そのままそのことを考えて、音楽に集中をうつせそうなタイミングで戻します。

一人で短時間行うことで、ストレスを解消し、集中力を高めることもできます。

息を数える



5分間、呼吸を数えながら深呼吸をするだけで、1日中、心を落ち着かせることができます。

楽な姿勢で座り、息を吸ったり吐いたりするだけなので、簡単に実践できますし、ストレスを解消する効果があります。

また、この5分間でそれまでの作業で消耗した集中力がある程度元に戻ることも期待できます。
5分の瞑想によりその後数時間集中できるならすごくお得感があります。

自然を眺める



リラックスしたい時に自然の力を借りたいという方は多いかと思います。
もちろん、自然の中で仕事をしたり瞑想したりすることができれば理想ですが、そのように実践することはなかなか難しいかと思います。

そんな方におすすめなのが、自然を眺める瞑想です。

こちらもやり方はシンプルで、タイマーを5分くらいセットし、会社の窓から見える木や森、山や空をぼーっと眺めるだけです。タイマーが時間を知らせてくれるので、時間は気にせず、自然を眺めます。
この時、できれば深い呼吸も意識して、繰り返します。

この瞑想でストレスの減少と緊張の緩和、集中力の回復が見込めます。
参考:Why Meditation Works Wonders for Better Workplace Productivity


お試し瞑想から習慣的な瞑想へ



ここまで読んで頂きありがとうございます。

今回は、仕事中や職場に瞑想を取り入れるメリットをご紹介してきました。
仕事でのストレスは関わってくる人が多く、責任も発生することが多い分、プライベートのストレスとはまた違う苦しみを感じるという方もいらっしゃるかと思います。


そんな方にはぜひ今回ご紹介したほんの数分の簡単な瞑想から試してみていただき、心が落ち着く感覚や集中力が向上する感覚を体験してみていただきたいです。


最初の一回目から瞑想の効果をしっかり感じることはなかなか難しかも知れませんが、数分の瞑想を繰り返し、慣れてきたら十数分の瞑想を行う、という流れで瞑想の何らかの効果を実感することができるかと思います。


仕事に一生懸命になるものもちろん素晴らしいことですが、まずは自分自身を大事にするという意味も込めて、隙間時間を使って取り入れてみていただきたいと思います。


皆さんの職場での悩みが軽減され、より幸福感を感じられるワークライフを得られることを願っています。


mind-wheel.comでは、瞑想のやり方がやっぱりわからない、やってみたけどあっているのか不安、効果があまり感じられない、という方に対し、相談室を設けております。


ぜひお気軽にお問い合わせください。






References

References
1 欧州経営大学院、通称INSEADは、フランス・フォンテーヌブロー、シンガポール、アブダビに校地を置くビジネススクール。参考:INSEAD
2 ペンシルベニア大学ウォートン校は、アイビー・リーグ8校の中のペンシルベニア大学のビジネススクールである。
3 ワーキングメモリとは認知心理学において、情報を一時的に保ちながら操作するための構造や過程を指す構成概念のこと